全国SLA創立時の結成「宣言」

宣言
 ここに全国学校図書館協議会が結成された。この協議会は、周到な準備を経て、全国的なもりあがる力によつて結成された極めて民主的な結合の上にたつている。
 われわれが全国学校図書館協議会を結成したのは、学校図書館が、民主的な思考と、自主的な意志と、高度な文化とを創造するため、教育活動において重要な役割と任務をもつていると思うからである。
 児童生徒は、生活の現場にあつて、豊富な図書資料の中に立つている、しかもそれを利用し選択し、自らの成長に役立てる意図方法の指導を欠いている。これは児童生徒の良識を育て、能力を開発し、ひいては日本文化を創造する上に甚だ遺憾なことである。
 われわれは、よく整備せられた豊かな図書資料を通じて、児童生徒の個性と良識が、かつぱつに、自由に、より深く育つていくものであると思つている。そして、学校図書館を通じて、強靭な知性と意志を育てようとしている。同時に、教育の革新を意図している。今日及び明日の教育において、重要な役割を果すべきことを信じている。
 学校図書館の充実進展は、現下の急務であり、これが達成は一にかかつて、全国的結合による強力な協同の意志と透徹した思考と研鑚と努力によらなければならない。
 ここにわれわれは、新しく結成された全国学校図書館協議会の名により、その精神を宣明し、あらゆる障害をのりこえ、児童生徒の福祉とその成長のため、勇敢に所信の実現に邁進しようとするものである。
 右宣言する。
   昭和二十五年二月二十七日
全国学校図書館協議会
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