教えて先輩Q&A

book_14'.jpgのサムネール画像 「教えて先輩Q&A」は、
日頃の活動のなかでちょっと尋ねにくい、ちょっと答えにくい...
気になる学校図書館の"はてな?"にスポットをあてる『学校図書館速報版』のコーナーです。
過去に掲載された記事から、一部をご紹介します。

このコーナーで取り上げてほしい質問がありましたら、下記へメール・FAXにてお送りください
※質問が必ず採用されるとは限りません。予めご了承ください

E-mail: info@j-sla.or.jp   〈件名に「速報版Q&A係」とお書きください〉
FAX: 03-5804-7546 全国SLA速報版編集部 Q&A係
テーマ別記事一覧 (タイトルをクリックするとその記事に飛びます)
◆選書について
学習用の"セットもの"の図書の見分け方
図書を実際に見て選書する方法
◆分類について
シートン動物記は何類?
"伊藤若冲"の図書の分類記号は?
NDC新版刊行に伴う分類記号変更
奥付の分類記号をそのまま使ってよい?
小学校の分類は2桁?、3桁?
外国の物語、どの国に分類する?
犬の本は何類?
ノンフィクションの分類は?
◆件名について
「件名」って何?
「件名」と「キーワード」のちがい
件名付与に使う言葉
◆配架について
個人の伝記はまとめて置いてよい?
「戦争関連の本」の棚をつくってよい?
書名順か著者順か
高学年向きの絵本の置き場所は?
図鑑の置き場所は?
書架の配置・図書の配架のルール
ラベルの工夫と配架のルール
◆その他
「伝記」とは?
「絵本」とは?
1クラス分購入した辞典の管理・買い替えは?
破れてしまった本を返却するときは?
"本のおそうじ"が手軽にできる方法は?
奥付から読み取れること
置きっぱなしの学級文庫
「利用指導」とは?
学校図書館と図書室の違いとは?
必要な館内表示
図書の廃棄は、毎年必要?
蔵書点検はなぜ大切?
学校図書館に名前を付けてもいいのですか?


選書について


Q.gif 学習用の"セットもの"の図書の見分け方は?
数々出版されているなかで、どの"セットもの"を購入したらよいのか、決めるための目のつけどころがよくわかりません。
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 購入に際しては、出版社名やカタログの宣伝用の解説で決めてしまうということではなく、書店や展示会などを利用して実際に図書を手にとって選書することが大切です。
 最近の傾向として、写真などを多用し、視覚に訴える構成になっている図書が多く見受けられますが、見やすければよいとは言い切れません。掲載されている写真や図説が学習に役立つものであるかなどの視点を持って、一つの章だけでもじっくりと読んでみると自ずと答えが見えてきます。図書の内容がわかる目次がしっかりしていること、索引が付されていることは学習用資料として必須条件です。いくつかのセットを比較することで、選書眼を習得してください。
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Q.gif 図書を実際に見て選書する方法は?
"選書は実際に手にとって"とありますが、具体的にはどうすればよいのでしょう。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 方法としては、取次会社や書店、出版社が主催する「展示会」に出向く方法があります。これは地域、会期が限られるため、年度初めに確認が必要です。次に、規模の大きな書店や取次会社、出版社などに図書を学校まで持ってきてもらう「巡回販売」。1校では難しい場合は数校で協力するとよいでしょう。より多くの図書を手にとれる方法として取次の各営業所での「店頭選書」を書店を通してお願いすることも可能です。また、国際子ども図書館の児童書研究資料室や銀座の教文館ナルニア国では近刊1年分の児童書をまとめて一覧できます。実際に見て確かめる方法を、工夫してみてください。
 選書の方法やツールについては『学校図書館メディアの選びかた』(高橋知尚・著、全国SLA刊)が参考になります。
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分類について


Q.gif シートン動物記は4類ではないのですか
小学校の学校図書館では『シートン動物記』は4類に分類されていることが多いですが、速報版の全国SLA選定図書リストでは9類に分類されています。
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 『シートン動物記』は、シートン自身が付けたシリーズ名ではなく日本で最初に刊行されたときに付けられたものです。シートンの著作は、書かれた年代によって「動物物語」と、"動物誌"と訳される「科学書」があります。(『シートン』今泉吉晴・著/福音館書店:参考)
 全国SLAでは、内容によって、動物物語のものは9類に分類しています。『シートン動物記』は、動物の生態を深く研究していたシートンによって書かれているため、『ファーブル昆虫記』と同様に、すべて4類とする考え方もあります。各巻を手に取って、検討してみてはいかがでしょう。
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Q.gif 伊藤若冲"の図書の分類記号は?
購入するには好機と考え、最近、美術館やテレビで注目された画家"若冲" の図書を蔵書に加えました。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 話題になった人物に関する図書を蔵書に加えるのは図書館利用の促進にもつながります。今回の"若冲"のように、教科書であまりとりあげられていない人物は、教科内容中心に蔵書構成をすすめていると蔵書に加わらない可能性があります。選書する担当者がアンテナをはって蔵書に加えておくというのも選書の醍醐味といえると思います。
 さて、若冲の図書の分類です。若冲は、初期に狩野派の画家に師事したことがありますが、狩野派の画家とはいえないようです。狩野派721.4ではなく、721.6の写生画とした方がよいでしょう。その人物の人となりを注意深く調べて分類を確定することが大切です。
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Q.gif 分類記号を変更する場合、なるべく手間のかからない方法は?
今までの図書を全部、変更しなくてはなりませんか?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 NDC10版が刊行されたことにより、分類記号の変更作業をどのように行うかという声が聞かれます。例えば「点字」や「手話」の図書を3類に分類していたが、8類にすべて変更し、配架し直さなくてはならないか?などが一例です。
 基本的には今までの図書はそのままにし、新規購入分から新しい分類記号で配架する方法で処理します。2か所に分かれますので、上記の例で言えば、3類の「点字」「手話」の書架に"801(点字、手話)も見よ"、8類の書架にも"378(点字、手話)も見よ"の掲示をします。変更する図書が少ない冊数の場合は、新分類に直して配架する方がよいでしょう。
 NDC10版については、日本図書館協会(JLA)のwebサイトの分類委員会のページに、改訂箇所一覧や正誤表が掲載されていますので参考にしてください。
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Q.gif 分類記号が奥付に記載されている場合
記載のままの分類記号で分類してしまってよいですか?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 まずは、奥付とは図書の末尾にある、その著者、発行者、発行所、印刷者、発行年月日、定価、ISBN等を記載した部分です。その奥付に、分類記号が付されているかいないかは、児童書か一般向け図書かによるところが大きく、おおむね児童書に多く分類記号が付されています。
 奥付に記載されている分類記号は出版社が独自に付しているものですので、自校の学校図書館の分類に合致しない可能性があります。図書の内容をよく読んで、分類記号を決定することをお勧めします。
 余談ですが、奥付に記載する項目については、かつては法律で義務化されていた時代もあったようです。しかし、現在は特に決まり等はなく、習慣的に記載してきた項目が記載されています。
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Q.gif 小学校の学校図書館の分類
2桁と3桁、どちらがよいのでしょう?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 子どもたちは、段階を踏んで教えればNDC3桁(1000区分)で分類してある図書館で自分で図書を探せるようになります。現在使われている国語の教科書に、「ラベルに書かれた3桁の数字を手がかりにしましょう」という説明がありますし、3桁でなければ、書架の中に図書が細かく分類されて並びません。それでは返って探索が難しくなってしまいます。
 将来中学校の図書館や公共図書館で必要な資料を自分で探索するためにも、小学校も3桁で分類することをお勧めします。その指導に役立つのが、『学びかた指導のワークシート』(全国SLA刊)です。分類はもちろん、資料の探索や利活用の力を、段階的につけさせることができるワークシート集です。
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Q.gif 外国の物語の分類
外国の物語は、著者の出身の国で分類すればよいのですか?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 外国の物語を分類するには、まず、奥付や原著のクレジットを見て、最初にどこの国で出版したかを確認します。NDCには「文学作品は原作の言語によって分類する」と規定されていますが、何語で書いた作品かを特定することは難しく、その図書の出版国の言語で言語区分して分類するのが最善でしょう。たとえば日本人の著者が、英国で英語で出版し、その図書が翻訳され日本語で出版されても933.7(英米文学)に分類します。
 奥付等から読み取れない場合は、著者のプロフィール、訳者の専門、目次、解説、序文・あとがきなどを確認して、言語区分を推定することになります。外国の物語に限らず、分類をするときは、図書から得られる情報を探してみることが大切です。
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Q.gif 【犬】の本の分類
犬は動物なのに、4類に分類するのではないのですか?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 学校図書館では、犬の図鑑、飼育方法、犬に関するノンフィクションや物語、盲導犬や警察犬、さまざまな犬に関する図書を購入します。
 犬などのペット・家畜の場合は6類(645)です。犬の図鑑や飼育方法なら645(図鑑645.6038/飼育645.6)、盲導犬は369(369.27)、警察犬なら317(317.75)。動物学的観点で書かれている犬の生態に関する図書の場合は489(489.56)になります。犬に関するノンフィクションについては、小学校では、916に分類することもありますが、中学・高校では主題に分類することが多いです。
正しく内容判断するには、知識量が問われる面もあります。図書館担当者は、日々、好奇心、知識欲を持って過ごして欲しいと思います。
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Q.gif ノンフィクションの分類
ノンフィクションには様々なジャンル・主題がありますが、どこへ分類すればいいのでしょう?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 ノンフィクションには、旅行記、探検記、戦記、記録小説、随筆、人生論、生活記録、日記、自伝、伝記などがあり、『学校図書館のための図書の分類法』(芦谷清・著、全国SLA刊)に詳説されています。旅行記、探検記は「29地理.地誌.紀行」、そのうち、作家が書いたものは9□5(□には言語区分が入る)、特定分野の研究のための探検記は、その主題へ分類。戦記は391.2。随筆は「9□4評論.エッセイ.随筆」。作家の日記は9□5、その他は伝記へ。人生論は「159人生訓、教訓」。記録小説、生活記録は「9□6記録.手記.ルポルタージュ」。
 ただ、動物の本など特定の主題に結び付くものは、学習との関連で読ませることを優先する場合、主題へ分類することも。ノンフィクションとするか読み物とするかは内容次第です。
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件名について


Q.gif 「件名」って何?
選定リストに記載されている「件名」とは、Eメールなどに使われている「件名」と違う意味ですか?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 「件名」とは図書館の専門用語で、その図書に書かれている内容を示しています。書かれている内容を示すという意味ではメールの件名と同じと言えるでしょう。もともとは図書館の蔵書検索ツールとして使われてきたカード目録のひとつ「件名目録」のための言葉で、カード目録は、ほかに「書名目録」「著者目録」「分類目録」があります。最近はパソコンによる蔵書管理や検索システムの導入が進んでいますが、「分類のカード目録」は処分せずに併用することをお勧めします。
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Q.gif 「件名」と「キーワード」のちがい
蔵書検索をする場合、「キーワード」だけでよいのでは?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 「キーワード」とは検索の手がかりになる言葉。書名やその一部、著者名、出版社などから検索できます。しかし、書名や副題の中にある言葉、著者名などをカタカナでデータ入力しているため、文字認識としてキーワードが含まれる図書が多数ヒットしてしまいますし、主題が言葉としてタイトルに含まれていないものはヒットしません。
 一方、「件名」は図書の内容を示す言葉ですから、求める主題の図書が検索結果として得られます。しかし既存の書誌データには、「件名」は1冊の本に対して1つか2つしか付されていない場合が一般的ですので、使える蔵書管理システムにするには、既存の書誌データに「速報版に記載されている件名」や「自校に適した件名」をローカルデータとして加えておくとよいでしょう。
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Q.gif 件名付与に使う言葉は決まっているのですか
自校の学校図書館の蔵書管理システムの書誌データに件名を加えるには?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 「件名」には「統制語」という決められた言葉を使います。例えば、"図書"を表す「自然語」は"本""書物""資料"など複数ありますが、小・中・高それぞれの学校図書館で児童生徒の発達段階にあった言葉を「統制語」と決めて件名を付与することができます。
 基本となる件名標目表(統制語として採用した言葉を収録したもの)に、自校で決めた統制語を追加して、独自の件名標目表を作って使用することをお勧めします。
【参考資料】
『小学校件名標目表第2版』(全国SLA 2004年刊)/『中学・高校件名標目表第3版』(全国SLA 1999年刊)※全国SLAでは、これに毎年、見直しと追加を重ねてきた件名標目表を作成して使用。
『基本件名標目表第4版』(日本図書館協会 1999年刊)
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配架について


Q.gif 個人の伝記はまとめて置いていいのですか
速報版の選定図書のリストをみると、音楽家や画家などの伝記は7類の分類記号が付されていますが、分類記号を289にして個人の伝記として配架をしてもよいのでしょうか?
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 NDCによると個人の伝記は、哲学などの1類、芸術などの7類、文学などの9類はその主題のところに分類されます。音楽家・画家のほかには、哲学者、宗教家、作家、スポーツ選手などです。ただし小学校では伝記はまとめておいたほうが、児童生徒にはわかりやすいと考え、289にして個人の伝記の書架に置くという方法を講じてもかまいません。
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Q.gif 「戦争関連の本」の棚をつくってよい?
毎年授業で使うことが多く、タイトルに戦争関連の図書とわかる言葉が入っていない場合(特に物語)は探し出せないこともあるので、常設書架としてまとめて別置したいのですが。
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 学校図書館は、特定の主題で図書を一時的に集めても、固定化しないのが基本です。授業で使う時期限定で「戦争関連の本」のコーナーをつくって、そのテーマの学習の時期が過ぎたら元の書架に図書を戻すほうがよいでしょう。たとえば「日本史シリーズ」のうち1冊が戦争の時代の図書である場合、その1冊だけ戦争関連の書架に別に置くことになってしまいますので好ましくありません。
 「戦争関連の図書のリスト」を作成しておく方法で対応すれば、図書を探し出せますし、リストに自校に所蔵しているものだけでなく、より多くの書誌情報を掲載するなどの工夫もできます。
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Q.gif 書名順か著者順か迷っています
小学校図書館で絵本を別置して「絵本コーナー」を設置している場合の、分類や配列はどのように決めればよいですか?
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 "本の仲間分け"があることを示す目的で、「日本の絵本」「外国の絵本」「知識の絵本」などに大きく分類するとよいでしょう。
 配列は、著者順か書名順か意見の分かれるところです。低学年の児童にとって、自分で探して選んだ絵本がおもしろかったときの喜びは格別で、その後のひとり読みの読書へとつながります。書名の五十音順で配列することで、読みたい絵本を自分で探し出すことができます。
 中・高学年は、「同じ著者の絵本を読みたい」という利用の仕方もあるので著者順の配列を採用している学校もありますが、その場合には低学年のうちから系統的に本の探し方の指導を行うことが前提です。利用する児童生徒の使いやすさを考えて配列をすることが大切です。
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Q.gif 高学年向きの絵本は絵本コーナーに置かないほうがよいでしょうか
小学校の学校図書館で絵本コーナーをつくりましたが、高学年の児童はあまり利用していません。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 『100万回生きたねこ』『絵で見る日本の歴史』『アンジュール』など、小学校高学年向けの絵本も多くあります。配架されている絵本コーナーが、低学年の利用を意識しすぎた装飾になっていると、自我が確立しつつある高学年の児童には利用しにくいのかもしれません。
 期間限定でテーマを決め、高学年向きの絵本を企画展示してみてはどうでしょうか。その期間はいつもより落ち着いた装飾で児童を迎えます。
 また、学校の規模や蔵書数によっては高学年向きの絵本を初めから一般図書の書架に主題により分類することで利用が伸びることも期待できます。
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Q.gif 図鑑の置き場所は?
図鑑を主題別に分けて配架しています。調べ学習室はありませんので、貸し出されてしまうと、学習などに使えない状況です。
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 予算が潤沢で調べ学習用の図書をコーナーとして別置できればよいのですが、一般的には限られた予算のなかで、蔵書を構成しなければなりません。打開策として、調べ学習に適すると思われる図鑑セットを1種類決めて、2セット購入し、学習用に1セット確保しておくという方法が考えられます。その場合、百科事典と同様に031の分類記号を付してセットで0類の棚に配架し、禁帯出のラベルを貼っておくとよいでしょう。もう1セットの図鑑は主題別に分類して配架します。
 お気に入りの図鑑を借りる児童の姿を見かけます。基本的には図鑑は主題別に分類、配架し、貸出しをして、じっくり図鑑から知識を得る楽しみを味わってもらいたいものです。
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Q.gif 配置・配架のルール
書架の配置、図書の配架の仕方で考慮すべきことはなんでしょう。基本のルールはありますか?
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 図書の配架については、書架ごとに左から右へ、かつ上から下へというルールがあります。そのためNDCにより分類された図書館の書架の配置は、0類から9類へ、時計回りに配置します。そして教師や担当者が館内全体を見渡せる位置にカウンターを設置することが基本です。その上で子どもたちの動線を考慮した配置決めをお勧めします。
 『学校図書館、まずはこれから』(中村伸子・著、全国SLA刊)に図説付きで書かれていますので参考にして、より使いやすい学校図書館を目指してください。
 その他、窓からの直射日光がなるべく図書に当たらないようにする、書架と書架の間の明るさが机上照度と同じ300ルクス以上になるようにするなどの配慮も必要です。窓側の低書架の上には安全上、避難の妨げになるような物を常設で置かないように気をつけましょう。
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Q.gif ラベルの工夫と配架のルール
子どもたちが自分で図書を探せるようにするための、ラベルと配架はどうしたらよいでしょう?
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 自分で図書を探せる環境を整え、保つための工夫について、少し掘り下げて説明します。
 図書に貼るラベルは、小学校などでは、0類~9類の色分けを自校で決め、10色のラベルを使用し、その色分けに従って「書架見出し」の色も統一しておくと、見た目にも分かりやすくなります。ラベルは2段のものより3段のものを使うと、3段目に巻冊記号を書き込めますのでセットやシリーズの図書などは並べやすくなり、探しやすいと思います。
 配架については、書架ごとに左から右、上から下への基本に加え、1つの書架に1つの「類」、例えば0類の書架に次の1類を入れ込まないようにします。できれば「綱」ごとに棚を変え、詰め込み過ぎないようにし、ブックエンドを使って空間を作りそこに表紙面を見せるディスプレイをするのもよいでしょう。
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その他


Q.gif 「伝記」とは?
現在活躍中のスポーツ選手の本は、児童生徒に人気があるので購入しています。過去の人でなくても「伝記」として扱ってよいのでしょうか?
⇒ANSWER⇒⇒⇒
  "何かを成した人"であれば、過去の人でも現代の人でも、伝記として扱います。小学校ではスポーツ選手を7類に分類せず、個人の伝記として289の書架に配架する学校も多いようですから、過去の人と現在活躍中の人気スポーツ選手が個人の伝記の書架に並ぶことになります。
 また、スポーツ選手や音楽家などの伝記がシリーズで刊行されている場合があります。シリーズで一括して配架したくなる気持ちもわかりますが、伝記は一冊ずつ、被伝者の五十音順に配架します。分類が289(個人の伝記)でも7類でも同じです。学校図書館では、そうすることにより、被伝者が一か所にまとまり、探しやすくなります。
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Q.gif 「絵本とは」...何か基準のようなものはありますか
小学校の学校図書館で、絵本だけの空間を作っています。分類するときに絵本として扱うかを迷ってしまう場合があります。
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 判型は大きいが文字数が多いもの、文字数が少なくても内容が高度なもの、B6判でも文字の少ないもの、写真がメインのものなどが迷いの対象になるのでしょう。一つの目安として、本の裏表紙に記載されているCコード(日本図書コードの分類コード)の数字の最初の2ケタが87であれば、それは「子ども向きの絵本」であることを示しています。(『絵本と社会』・朝倉書店参照)
 また全国SLAでは、絵本選定基準のなかで、「絵本とは、書籍の形態をもって、絵または絵と文の融合から生まれる芸術であると考える」とし「原則として、絵の比重が形式的にも、内容的にもその半分以上を占めていること。」としています。
【参考】
全国学校図書館協議会絵本選定基準
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Q.gif 1クラス分購入した辞典の管理・買い替えは?
廃棄するときに、多量で目立つので躊躇してしまいます。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 授業で使う目的で、「国語辞典」を1クラス分購入する場合があります。学校図書館で受入れをして、ラベルを貼ってきちんと管理しましょう。気を付けたいのは、学校図書館に置かずに、使用する学年の廊下の書架などに置くケースです。同じ学校司書が継続的に勤務できない学校などでは、そのまま忘れ去られてしまったり、自由に利用させる意図があったとしても、紛失につながりかねません。
 辞典の廃棄について全国SLAの廃棄基準には特に決められた年数の記載がありませんが、改訂により新しい言葉が追加されますので、辞典により異なりますが買い替え期間は10年ほどを見込んでおきます。複数冊で高額になりますが、購入の計画を立てておくことで、気兼ねなく廃棄することができます。
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Q.gif 破れてしまった本を返却するときは...?
児童生徒が自分でセロハンテープを貼って修理し、黙って書架に返却してしまう場合があります。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 自分で破ってしまった場合は言い出しにくいことかもしれませんが、破れてしまった場合も、破れを見つけた場合も、黙って返却するのではなく、担任の先生あるいは学校図書館の司書教諭や学校司書に申し出るよう、事前に伝えておきましょう。年度初めやオリエンテーションの機会に話をするとよいと思います。本の修理には専用のテープを使うことを説明し、セロハンテープを貼らないよう具体的に話しておきます。セロハンテープは劣化してしまいますし厚みがあって仕上がりが美しくなりません。
 館内に、修理が必要な本を入れておく専用の箱を設置しているところでは、児童生徒が返却する際に、黙って本を入れてしまわないよう心くばりしたいものです。
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Q.gif "本のおそうじ"が手軽にできる方法は?
予算も人手もなくて取り掛かれずにいます。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 図書専用のクリーナー(液体)やブラシなどがあり、装備などの品といっしょに購入して行うことが出来れば一番よいのですが、ここでは手軽に行えるおそうじをご紹介します。
 市販のメラミンスポンジを小さく切って、少しだけ水で湿らせたもので表面をこすり、乾いた布ですぐに拭き取る方法。クリーナーの保管や準備の手間が少なくすみます。天地のほこりを落とすには、歯ブラシ。糊のベタつき、黒ずみには、砂消しゴムや消しゴム、小口などの変色には紙やすりを使ってきれいにすることができます。
 日々の仕事として"本のおそうじ"まで手が回らない場合は、読書週間などのイベント前にボランティアを募集したり、図書委員会として行うなど、まずはきっかけを作ってみましょう。
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Q.gif 奥付から読み取れること
意識的に奥付を見ると、何がわかるのでしょうか?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 書誌的事項の確定をするのに奥付を見ますが、確定の優先順位は、表題紙→奥付→背表紙→表紙の順で、奥付は優先順位が高く重要です。最近は表紙カバーのデザインをそのまま表題紙に用いる図書も増えていますので、そのような場合は表題紙ではなく、奥付の情報で書誌的事項を確定した方がよいでしょう。
 もともと日本では表題紙よりも奥付に出版情報を記載する習慣がありますので、図書館担当者は奥付をしっかりと見るようにしてください。特に、学習用の図書の場合は責任表示(著者、作者、編者、訳者など)があるということが選書をする上での判断材料にもなりますので注意すべき点です。監修者は直接本文に対して責任は負いません。
 また、ロングセラー図書の奥付からは、発行年、改訂年月日、刷り数などで、今までの発行経過を知ることができます。
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Q.gif 置きっぱなしの学級文庫
教室に、学級文庫として図書が長年置きっぱなしになっていますがよいのでしょうか?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 学級文庫の図書が、ずっと同じ図書のまま、掃除もされないで棚に並んでいるのは、子どもたちとって好ましい読書環境ではありません。学級文庫も学校図書館で管理し、図書が固定化しないようにしましょう。学校図書館で除籍になった図書を学級文庫に置くという考え方があるようですが、子どもたちに読んでほしい新しい本を配布することが望ましいです。
 新年度を迎える前に、少なくとも1年に1回は図書を回収して、紛失、破損、汚損のチェックと処理をし入れ替える仕組みをつくるところから始めてみることをお勧めします。学級数が多い学校では、全学年一斉に、入れ替えを行うのは大変ですので、夏休み、春休み、冬休みに学年を分けて行う、ボランティアや図書委員と連携して行うなど工夫をして取り組んでください。
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Q.gif 利用指導の勘違い
利用指導とは図書の貸出・返却、開館時間など学校図書館のルールやマナーの指導ではないのですか?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 "学校図書館の使い方"の指導と受け取られがちですが、本来は、"学校図書館の資料の使い方"の指導まで含めて、「利用指導」と言えるのです。子どもたちに学校図書館を活用する力が定着するよう、年間計画を立てて学年ごとに取り組む必要があります。
 まずは年度初めに行うオリエンテーションに、ルールやマナーだけでなく、分類や配架、図書の探し方も加えましょう。参考資料としては『心をつかむオリエンテーション』『学校図書館学びかた指導のワークシート』(全国SLA)があります。全国SLA のWebサイトで「情報・メディアを活用する学び方の指導体系表」も閲覧できます。体系表については『情報を学習につなぐ』(全国SLA)で詳しく解説されていますので、参考にして利用指導を深めてください。
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Q.gif 学校図書館と図書室の違いとは?
ずっと、"図書室"と呼んできましたが、呼び方を変えなくてもよいでしょうか?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 図書を配架している部屋が1つで、ましてや規模も大きくないので学校図書館と呼ぶほどでもない。それゆえ"図書室"のままでよいと考えることが多いのではないでしょうか。図書室か図書館かは部屋の大きさや蔵書数の違いではありません。「読書」「学習」「情報収集」などの機能、職員、場所を含む名称が"学校図書館"です。
 学校図書館と呼ぶことで、学びのための空間であることの理解を促すこともでき、学習を支える機能を持たせていく第一歩になると言えるかもしれません。学校によっては、"学習情報センター"、"情報メディアセンター"と呼ぶこともあります。大切なことは、単に図書を配架している部屋ではなく、学校図書館として資料の充実、機能の向上を心がけることではないでしょうか。
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Q.gif 必要な館内表示
子どもたちが自分で図書を探せるようにしたいのですが、どんな館内表示が必要ですか?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 図書には分類記号と図書記号を示すラベルを貼って、図書の所在(住所)を決め、分類記号順に配架することが前提です。その上で自分で図書を探せる環境を整えるためには、以下の6つの表示は必須と言えるでしょう。

  1. 館内全体の配置と書架の分類が示してある「館内案内図」
  2. 書架の上や側面に付け0類~9類を示すための「書架案内板」
  3. 棚の途中で分類が変わった時に使用する「分類の見出板」。小学校などでは、著者や被伝者の頭文字の五十音順に並べた棚で区切りを示す「見出板」を使用する場合もあります。
  4. 「分類表」
  5. 児童生徒に請求記号の意味を知らせる「ラベルの説明」
  6. 探したい主題の"ことば"から"分類記号"をさがすための「分類相関索引」

2・3は市販品もありますが手作りするのもよいでしょう。
6については、NDC付属の相関索引などを基に、自校でよく探される本の主題を表にして掲示しておくと児童生徒が本を探しやすくなります(「子ども読書県しまね 学校図書館」Webサイトで公開されているものが参考になります)。
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Q.gif 廃棄の頻度
書架から図書があふれていなければ、廃棄はしなくてよいですか?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 まだ使えそうな図書を捨てるのはもったいない、図書は多いにこしたことがないと考える教員も多く、図書館担当者としては、それなら毎年廃棄しなくてもと考えてしまうかもしれません。しかし、毎年蔵書点検を行うことの大切さ、図書の更新も考え併せ、廃棄は毎年システマティックに行うことをおすすめします。
 まだ使えそうというのは、人によりさまざまですし、本当に使える図書かをはっきりさせることも難しいですので、担当者が一人で廃棄を決めるのではなく、まずは廃棄の基準を成文化して、学内で考え方を共有することから始めましょう。全国SLAの「学校図書館図書廃棄規準」、『その蔵書、使えますか?;図書の更新のすすめ』(全国SLA刊)が参考になります。
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Q.gif 蔵書点検はなぜ大切?
蔵書の有無の確認だけではないのでしょうか。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 蔵書点検を行うには、まず全校児童・生徒に呼び掛けて、一度図書の返却をしてもらうことになります。最低でも一年に一度、蔵書の有無の確認をするための返却があるということで、借りた本を返さなければならないことを子どもたちに意識付けることになります。同時に図書の傷み具合も確認することも伝えれば、子どもたちは本をていねいに扱わなくてはいけないと思うでしょう。
 図書の点検をするときは、図書を手にとってパラパラとページをめくって、落丁、書き込み、破れはないかなども見ていきます。内容的な確認も、特に地理や統計、科学や医学の本などは情報が古くなっていないかという視点が必要です。点検後、買い換えるもの、除籍にするものなどを見極めることにより、蔵書の更新につながります。
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Q.gif 学校図書館に名前を付けてもいいのですか?
親しみやすい名前を付けたいと保護者ボランティアから提案がありました。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 学校図書館に親しみやすい名前をつけることは、子どもたちに利用される空間にするためのひとつの方法と考えられます。しかし一部の保護者で決めてしまっていいかというと、そこは慎重に考えましょう。新しく名前を付けて学校を挙げて図書館のアピールをすることで利用促進につなげる、あるいは、子どもたちと一緒に名前を考えるイベントを企画するなど、あくまでも学校主導で教育として行うことが望ましいと思います。
 さらには、今までの習慣でどうしても図書室と呼んでしまっていた先生も子どもたちも、自然と"○○図書館"と呼ぶようになれば、学校図書館という意識付けの効果も期待できます。折しも春休み目前。新年度に向けて新たな学校図書館の準備に思いを巡らせてみてください。
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