教えて先輩Q&A

book_14'.jpgのサムネール画像 「教えて先輩Q&A」は、
日頃の活動のなかでちょっと尋ねにくい、ちょっと答えにくい...
気になる学校図書館の"はてな?"にスポットをあてる『学校図書館速報版』のコーナーです。
過去に掲載された記事から、一部をご紹介します。

このコーナーで取り上げてほしい質問がありましたら、下記へメール・FAXにてお送りください
※質問が必ず採用されるとは限りません。予めご了承ください

E-mail: info@j-sla.or.jp   〈件名に「速報版Q&A係」とお書きください〉
FAX: 03-5804-7546 全国SLA速報版編集部 Q&A係
テーマ別記事一覧 (タイトルをクリックするとその記事に飛びます)
◆選書について
学習用の"セットもの"の図書の見分け方は?
図書を実際に見て選書する方法は?
◆分類について
シートン動物記は4類ではないのですか
伊藤若冲"の図書の分類記号は?
◆件名について
「件名」って何?
「件名」と「キーワード」のちがい
件名付与に使う言葉は決まっているのですか
◆配架について
個人の伝記はまとめて置いていいのですか
「戦争関連の本」の棚をつくってよい?
書名順か著者順か迷っています
高学年向きの絵本は絵本コーナーに置かないほうがよいでしょうか
図鑑の置き場所は?
◆その他
「伝記」とは?
・「絵本とは」...何か基準のようなものはありますか
1クラス分購入した辞典の管理・買い替えは?
破れてしまった本を返却するときは...?
"本のおそうじ"が手軽にできる方法は?


Q.gif 個人の伝記はまとめて置いていいのですか
速報版の選定図書のリストをみると、音楽家や画家などの伝記は7類の分類記号が付されていますが、分類記号を289にして個人の伝記として配架をしてもよいのでしょうか?
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 NDCによると個人の伝記は、哲学などの1類、芸術などの7類、文学などの9類はその主題のところに分類されます。音楽家・画家のほかには、哲学者、宗教家、作家、スポーツ選手などです。ただし小学校では伝記はまとめておいたほうが、児童生徒にはわかりやすいと考え、289にして個人の伝記の書架に置くという方法を講じてもかまいません。



Q.gif 「件名」って何?
選定リストに記載されている「件名」とは、Eメールなどに使われている「件名」と違う意味ですか?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 「件名」とは図書館の専門用語で、その図書に書かれている内容を示しています。書かれている内容を示すという意味ではメールの件名と同じと言えるでしょう。もともとは図書館の蔵書検索ツールとして使われてきたカード目録のひとつ「件名目録」のための言葉で、カード目録は、ほかに「書名目録」「著者目録」「分類目録」があります。最近はパソコンによる蔵書管理や検索システムの導入が進んでいますが、「分類のカード目録」は処分せずに併用することをお勧めします。  



Q.gif 「件名」と「キーワード」のちがい
蔵書検索をする場合、「キーワード」だけでよいのでは?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 「キーワード」とは検索の手がかりになる言葉。書名やその一部、著者名、出版社などから検索できます。しかし、書名や副題の中にある言葉、著者名などをカタカナでデータ入力しているため、文字認識としてキーワードが含まれる図書が多数ヒットしてしまいますし、主題が言葉としてタイトルに含まれていないものはヒットしません。
 一方、「件名」は図書の内容を示す言葉ですから、求める主題の図書が検索結果として得られます。しかし既存の書誌データには、「件名」は1冊の本に対して1つか2つしか付されていない場合が一般的ですので、使える蔵書管理システムにするには、既存の書誌データに「速報版に記載されている件名」や「自校に適した件名」をローカルデータとして加えておくとよいでしょう。



Q.gif 「伝記」とは?
現在活躍中のスポーツ選手の本は、児童生徒に人気があるので購入しています。過去の人でなくても「伝記」として扱ってよいのでしょうか?
⇒ANSWER⇒⇒⇒
  "何かを成した人"であれば、過去の人でも現代の人でも、伝記として扱います。小学校ではスポーツ選手を7類に分類せず、個人の伝記として289の書架に配架する学校も多いようですから、過去の人と現在活躍中の人気スポーツ選手が個人の伝記の書架に並ぶことになります。
 また、スポーツ選手や音楽家などの伝記がシリーズで刊行されている場合があります。シリーズで一括して配架したくなる気持ちもわかりますが、伝記は一冊ずつ、被伝者の五十音順に配架します。分類が289(個人の伝記)でも7類でも同じです。学校図書館では、そうすることにより、被伝者が一か所にまとまり、探しやすくなります。



Q.gif シートン動物記は4類ではないのですか
小学校の学校図書館では『シートン動物記』は4類に分類されていることが多いですが、速報版の全国SLA選定図書リストでは9類に分類されています。
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 『シートン動物記』は、シートン自身が付けたシリーズ名ではなく日本で最初に刊行されたときに付けられたものです。シートンの著作は、書かれた年代によって「動物物語」と、"動物誌"と訳される「科学書」があります。(『シートン』今泉吉晴・著/福音館書店:参考)
 全国SLAでは、内容によって、動物物語のものは9類に分類しています。『シートン動物記』は、動物の生態を深く研究していたシートンによって書かれているため、『ファーブル昆虫記』と同様に、すべて4類とする考え方もあります。各巻を手に取って、検討してみてはいかがでしょう。



Q.gif 「戦争関連の本」の棚をつくってよい?
毎年授業で使うことが多く、タイトルに戦争関連の図書とわかる言葉が入っていない場合(特に物語)は探し出せないこともあるので、常設書架としてまとめて別置したいのですが。
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 学校図書館は、特定の主題で図書を一時的に集めても、固定化しないのが基本です。授業で使う時期限定で「戦争関連の本」のコーナーをつくって、そのテーマの学習の時期が過ぎたら元の書架に図書を戻すほうがよいでしょう。たとえば「日本史シリーズ」のうち1冊が戦争の時代の図書である場合、その1冊だけ戦争関連の書架に別に置くことになってしまいますので好ましくありません。
 「戦争関連の図書のリスト」を作成しておく方法で対応すれば、図書を探し出せますし、リストに自校に所蔵しているものだけでなく、より多くの書誌情報を掲載するなどの工夫もできます。



Q.gif 件名付与に使う言葉は決まっているのですか
自校の学校図書館の蔵書管理システムの書誌データに件名を加えるには?

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 「件名」には「統制語」という決められた言葉を使います。例えば、"図書"を表す「自然語」は"本""書物""資料"など複数ありますが、小・中・高それぞれの学校図書館で児童生徒の発達段階にあった言葉を「統制語」と決めて件名を付与することができます。
 基本となる件名標目表(統制語として採用した言葉を収録したもの)に、自校で決めた統制語を追加して、独自の件名標目表を作って使用することをお勧めします。
【参考資料】
『小学校件名標目表第2版』(全国SLA 2004年刊)/『中学・高校件名標目表第3版』(全国SLA 1999年刊)※全国SLAでは、これに毎年、見直しと追加を重ねてきた件名標目表を作成して使用。
『基本件名標目表第4版』(日本図書館協会 1999年刊)



Q.gif 「絵本とは」...何か基準のようなものはありますか
小学校の学校図書館で、絵本だけの空間を作っています。分類するときに絵本として扱うかを迷ってしまう場合があります。
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 判型は大きいが文字数が多いもの、文字数が少なくても内容が高度なもの、B6判でも文字の少ないもの、写真がメインのものなどが迷いの対象になるのでしょう。一つの目安として、本の裏表紙に記載されているCコード(日本図書コードの分類コード)の数字の最初の2ケタが87であれば、それは「子ども向きの絵本」であることを示しています。(『絵本と社会』・朝倉書店参照)
 また全国SLAでは、絵本選定基準のなかで、「絵本とは、書籍の形態をもって、絵または絵と文の融合から生まれる芸術であると考える」とし「原則として、絵の比重が形式的にも、内容的にもその半分以上を占めていること。」としています。
【参考】
全国学校図書館協議会絵本選定基準



Q.gif 書名順か著者順か迷っています
小学校図書館で絵本を別置して「絵本コーナー」を設置している場合の、分類や配列はどのように決めればよいですか?
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 "本の仲間分け"があることを示す目的で、「日本の絵本」「外国の絵本」「知識の絵本」などに大きく分類するとよいでしょう。
 配列は、著者順か書名順か意見の分かれるところです。低学年の児童にとって、自分で探して選んだ絵本がおもしろかったときの喜びは格別で、その後のひとり読みの読書へとつながります。書名の五十音順で配列することで、読みたい絵本を自分で探し出すことができます。
 中・高学年は、「同じ著者の絵本を読みたい」という利用の仕方もあるので著者順の配列を採用している学校もありますが、その場合には低学年のうちから系統的に本の探し方の指導を行うことが前提です。利用する児童生徒の使いやすさを考えて配列をすることが大切です。



Q.gif 高学年向きの絵本は絵本コーナーに置かないほうがよいでしょうか
小学校の学校図書館で絵本コーナーをつくりましたが、高学年の児童はあまり利用していません。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 『100万回生きたねこ』『絵で見る日本の歴史』『アンジュール』など、小学校高学年向けの絵本も多くあります。配架されている絵本コーナーが、低学年の利用を意識しすぎた装飾になっていると、自我が確立しつつある高学年の児童には利用しにくいのかもしれません。
 期間限定でテーマを決め、高学年向きの絵本を企画展示してみてはどうでしょうか。その期間はいつもより落ち着いた装飾で児童を迎えます。
 また、学校の規模や蔵書数によっては高学年向きの絵本を初めから一般図書の書架に主題により分類することで利用が伸びることも期待できます。



Q.gif 1クラス分購入した辞典の管理・買い替えは?
廃棄するときに、多量で目立つので躊躇してしまいます。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 授業で使う目的で、「国語辞典」を1クラス分購入する場合があります。学校図書館で受入れをして、ラベルを貼ってきちんと管理しましょう。気を付けたいのは、学校図書館に置かずに、使用する学年の廊下の書架などに置くケースです。同じ学校司書が継続的に勤務できない学校などでは、そのまま忘れ去られてしまったり、自由に利用させる意図があったとしても、紛失につながりかねません。
 辞典の廃棄について全国SLAの廃棄基準には特に決められた年数の記載がありませんが、改訂により新しい言葉が追加されますので、辞典により異なりますが買い替え期間は10年ほどを見込んでおきます。複数冊で高額になりますが、購入の計画を立てておくことで、気兼ねなく廃棄することができます。



Q.gif 破れてしまった本を返却するときは...?
児童生徒が自分でセロハンテープを貼って修理し、黙って書架に返却してしまう場合があります。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 自分で破ってしまった場合は言い出しにくいことかもしれませんが、破れてしまった場合も、破れを見つけた場合も、黙って返却するのではなく、担任の先生あるいは学校図書館の司書教諭や学校司書に申し出るよう、事前に伝えておきましょう。年度初めやオリエンテーションの機会に話をするとよいと思います。本の修理には専用のテープを使うことを説明し、セロハンテープを貼らないよう具体的に話しておきます。セロハンテープは劣化してしまいますし厚みがあって仕上がりが美しくなりません。
 館内に、修理が必要な本を入れておく専用の箱を設置しているところでは、児童生徒が返却する際に、黙って本を入れてしまわないよう心くばりしたいものです。



Q.gif 伊藤若冲"の図書の分類記号は?
購入するには好機と考え、最近、美術館やテレビで注目された画家"若冲" の図書を蔵書に加えました。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 話題になった人物に関する図書を蔵書に加えるのは図書館利用の促進にもつながります。今回の"若冲"のように、教科書であまりとりあげられていない人物は、教科内容中心に蔵書構成をすすめていると蔵書に加わらない可能性があります。選書する担当者がアンテナをはって蔵書に加えておくというのも選書の醍醐味といえると思います。
 さて、若冲の図書の分類です。若冲は、初期に狩野派の画家に師事したことがありますが、狩野派の画家とはいえないようです。狩野派721.4ではなく、721.6の写生画とした方がよいでしょう。その人物の人となりを注意深く調べて分類を確定することが大切です。



Q.gif 図鑑の置き場所は?
図鑑を主題別に分けて配架しています。調べ学習室はありませんので、貸し出されてしまうと、学習などに使えない状況です。
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 予算が潤沢で調べ学習用の図書をコーナーとして別置できればよいのですが、一般的には限られた予算のなかで、蔵書を構成しなければなりません。打開策として、調べ学習に適すると思われる図鑑セットを1種類決めて、2セット購入し、学習用に1セット確保しておくという方法が考えられます。その場合、百科事典と同様に031の分類記号を付してセットで0類の棚に配架し、禁帯出のラベルを貼っておくとよいでしょう。もう1セットの図鑑は主題別に分類して配架します。
 お気に入りの図鑑を借りる児童の姿を見かけます。基本的には図鑑は主題別に分類、配架し、貸出しをして、じっくり図鑑から知識を得る楽しみを味わってもらいたいものです。



Q.gif 学習用の"セットもの"の図書の見分け方は?
数々出版されているなかで、どの"セットもの"を購入したらよいのか、決めるための目のつけどころがよくわかりません。
⇒ANSWER⇒⇒⇒
 購入に際しては、出版社名やカタログの宣伝用の解説で決めてしまうということではなく、書店や展示会などを利用して実際に図書を手にとって選書することが大切です。
 最近の傾向として、写真などを多用し、視覚に訴える構成になっている図書が多く見受けられますが、見やすければよいとは言い切れません。掲載されている写真や図説が学習に役立つものであるかなどの視点を持って、一つの章だけでもじっくりと読んでみると自ずと答えが見えてきます。図書の内容がわかる目次がしっかりしていること、索引が付されていることは学習用資料として必須条件です。いくつかのセットを比較することで、選書眼を習得してください。



Q.gif "本のおそうじ"が手軽にできる方法は?
予算も人手もなくて取り掛かれずにいます。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 図書専用のクリーナー(液体)やブラシなどがあり、装備などの品といっしょに購入して行うことが出来れば一番よいのですが、ここでは手軽に行えるおそうじをご紹介します。
 市販のメラミンスポンジを小さく切って、少しだけ水で湿らせたもので表面をこすり、乾いた布ですぐに拭き取る方法。クリーナーの保管や準備の手間が少なくすみます。天地のほこりを落とすには、歯ブラシ。糊のベタつき、黒ずみには、砂消しゴムや消しゴム、小口などの変色には紙やすりを使ってきれいにすることができます。
 日々の仕事として"本のおそうじ"まで手が回らない場合は、読書週間などのイベント前にボランティアを募集したり、図書委員会として行うなど、まずはきっかけを作ってみましょう。



Q.gif 図書を実際に見て選書する方法は?
"選書は実際に手にとって"とありますが、具体的にはどうすればよいのでしょう。

⇒ANSWER⇒⇒⇒
 方法としては、取次会社や書店、出版社が主催する「展示会」に出向く方法があります。これは地域、会期が限られるため、年度初めに確認が必要です。次に、規模の大きな書店や取次会社、出版社などに図書を学校まで持ってきてもらう「巡回販売」。1校では難しい場合は数校で協力するとよいでしょう。より多くの図書を手にとれる方法として取次の各営業所での「店頭選書」を書店を通してお願いすることも可能です。また、国際子ども図書館の児童書研究資料室や銀座の教文館ナルニア国では近刊1年分の児童書をまとめて一覧できます。実際に見て確かめる方法を、工夫してみてください。
 選書の方法やツールについては『学校図書館メディアの選びかた』(高橋知尚・著、全国SLA刊)が参考になります。

このページのトップへ