震災・原発を知る本―全国SLA選定図書より

 全国SLAでは、毎月の新刊から学校図書館の蔵書に適する本を選定し、発表しています。
 3月11日の震災から数ヶ月がたち、新たに刊行された図書の中に東日本大震災やその他の災害、原子力発電やエネルギー関係の本が多く見受けられるようになりました。歴史的な著述、科学的な地震発生のメカニズム、原発・放射線について、風評被害、当日やその後の体験をつづったもの、などさまざまな観点で書かれています。その中から、全国SLA選定図書に選定されたものを紹介します。(震災から1年間分)
 それぞれの本が取り上げる内容やその観点には特徴があります。本から事実を学び取り正しく理解するためには、学校図書館が異なる観点のものを複数提供することが必要です。

●2012年3月30日現在の震災関連選定図書リストはこちら※エクセルファイル
掲載はNDC分類順、同一分類内は書名順です。価格は本体価格です。

リストより、一部を紹介します。

『ITが守る、ITを守る:天災・人災と情報技術』
坂井修一・著 NHK出版(NHKブックス1187) 1,000円
ISBN978-4-14-091187-7
東日本大震災で、情報システム機能の脆弱さが露呈した。非常時の情報インフラのあり方を、技術と人の両面から考察する。<高校向き>
分類:007.3021 件名:情報管理.情報技術

『こども東北学』
山内明美・著 イースト・プレス(よりみちパン!セ) 1,200円
ISBN978-4-7816-9020-9
東北の風土や歴史を易しく読み解きながら、中央と周辺、地域格差、原発誘致といった問題を考えさせる。東北のこれからを考える読み物として適する。著者は宮城県出身の歴史社会学者。<小高・中学向き>
分類:291.2 件名:原子力事故.東北地方.東日本大震災

『世界統計白書:データで見える世界の動き 2011年版』
木本書店・編集部・編 木本書店 3,800円
ISBN978-4-904808-02-3
年次版の統計資料。2011年版の特集「東日本大震災と世界」では、震災を客観的に分析できるデータが集められている。地震の概要や原発事故の経過など直接関係するデータ以外にも、各国からの救援隊派遣・支援物資等、世界の主な地震発生状況、世界の原子力発電所関連事故なども記載。<中学・高校向き>
分類:350.9 件名:統計-白書

『風評被害:そのメカニズムを考える』
関谷直也・著 光文社(光文社新書) 740円
ISBN978-4-334-03624-9
安心・安全神話がくずれ、自分の保身から風評が次々と生まれてしまった。無自覚の内に加害者となってしまう恐怖がそこにある。今回の震災だけでなく過去の風評も事例として掲げ、そのメカニズムを解明している。<高校向き>
分類:361.45 件名:原子力災害.原子力事故.風評被害

『58の用語でわかる!防災なるほど解説 上』
安全・安心な社会創造研究所・監修 〔こどもくらぶ・編〕 フレーベル館 4,500円
ISBN978-4-577-03981-6
図書が少ない防災についての小・中学生向き解説書。災害・防災に関する言葉を解説し、通して読むことで防災の基礎知識がわかる。事典・辞典として使える構成で図表やデータも多くわかりやすい。<小高・中学向き>
分類:369.3 件名:災害予防.自然災害.防災

『災害ボランティアの心構え』
村井雅清・著 ソフトバンククリエイティブ(ソフトバンク新書) 730円
ISBN978-4-7973-6563-4
一般市民は被災者のために何ができるのか、誰もが考えながらなかなか一歩を踏み出せないが、そんな人々への道しるべとなる一冊。等身大のボランティアの姿がここにあり、独りよがりではない双方向が満足する支援へと、ボランティア活動が真に機能し実をあげていくヒントがつめ込まれている。著者は被災地NGO協働センター代表。<高校向き>
分類:369.3 件名:東日本大震災.ボランティア

『ATOKATA』
篠山紀信・著 日経BP社 5,800円
ISBN978-4-8222-6629-5
写真家篠山紀信が津波に襲われた被災地の風景・人物を撮った写真集。報道写真とは違った視点で被災地をとらえ、写真家の気迫が感じられる。<中学・高校向き>
分類:369.31 件名:東日本大震災―写真集

『「あの日」のこと:東日本大震災 2011・3・11』
高橋邦典・写真文 ポプラ社 1,600円
ISBN978-4-591-12528-1
報道カメラマンの著者が、故郷、宮城県で被災した人々を取材した写真絵本。ポートレートと被災地の人の言葉を中心に構成されている。倒壊した自宅や避難所でカメラの前に立つ人々の表情は静かで、時にはほほえみを浮かべてすらいるが、コメントから浮かび上がる過酷な現実とのギャップに胸を突かれる。数値や事実にかたよりがちな報道からこぼれ落ちる、"そこに生きる人の思い"を感じられる一冊。<小高・中学・高校向き>
分類:369.31 件名:東日本大震災-写真集

『WE ARE ALL ONE:須藤元気のボランティア記録』
須藤元気・著 櫻みさき・写真 講談社 1,500円
ISBN978-4-06-217108-3
元格闘家でタレントの須藤元気が、震災直後から宮城県で復興ボランティアを行った体験記。写真が多く読みやすい。長い時間がかかる復興活動を支えるためには、ボランティアを一時的な流行にしてならない。そのためには「人を助けるということは、結局自分を助けること」という意識を持てと著者は言う。<中・高校向き>
分類:369.31 件名:手記.東日本大震災.ボランティア

『記者は何を見たのか:3.11東日本大震災』
読売新聞社・著 中央公論新社 1,500円
ISBN978-4-12-004305-5
読売新聞社の記者78名が、東日本大震災を取材した際の出来事をまとめた記録集。津波、原発、官邸、東電などテーマ別に収録。新人記者からベテラン記者まで、それぞれの立場で震災や被災者と向き合う報道人の生の声がわかる。<高校・中学向き>
分類:NDC369.31 件名:東日本大震災.ルポルタージュ

『心のおくりびと 東日本大震災復元納棺師:思い出が動き出す日』
今西乃子・著 浜田一男・写真 金の星社(ノンフィクション知られざる世界) 1,300円
ISBN978-4-323-06088-0
被災で損傷を受けた何百もの遺体をもとの姿に復元し続けた復元納棺師の活動を追ったルポ。その誠実な行為と思い、家族の様子を伝える。<小中・小高・中学向き>
分類:369.31 件名:東日本大震災.納棺師

『それでも咲いていた千年桜:大沼英樹写真集』
大沼英樹・著 窓社 2,500円
ISBN978-4-89625-108-1
宮城県仙台市に住む写真家大沼英樹氏による、被災地の桜の写真集。汚泥とがれきの中に咲く桜、屋根だけが浮いている土手の向こうの桜並木......。大震災のむごさ、みごとに咲いた桜との対比に考えさせられる一冊。<中・高校向き>
分類:369.31 件名:桜-岩手県-写真集.桜-宮城県-写真集.東日本大震災-写真集

『だけど、くじけない:子どもたちからの元気便』
長倉洋海と東北の子どもたち・著 NHK出版 1,600円
ISBN978-4-14-081519-9
写真家・長倉洋海氏の写真と子どもたちのことば。子どもたちの笑顔が復への希望を映し出している。平穏な日常の意味を見つめなおすことができたという児童のことばに心打たれる。<中・高校向き>
分類:369.31 件名:子ども-東北地方-写真集.作文集.東日本大震災-写真集

『TSUNAMI 3.11:東日本大震災記録写真集』
豊田直巳・編 第三書館 2,800円
ISBN978-4-8074-1103-0
津波襲来を受けた6道県(北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県)60市町村の被災写真。豊富な写真に圧倒され、一枚一枚の写真に心奪われる。この景色を私たちは胸に刻みつけておかなければならない。地図で写真の場所の位置がわかり、被災者数等も記されて資料価値も高い。<小高・中学・高校向き>
分類:NDC369.31 件名:津波-写真集.東日本大震災-写真集

『「つなみ」の子どもたち:作文に書かれなかった物語』
森健・著 文藝春秋 1,400円
ISBN978-4-16-374680-7
『つなみ 被災地のこども80人の作文集』の企画・取材を行った著者が、作文を書いた子どものたちの中から10組の家族を取材し、被災の様子やその後の話をまとめた一冊。子どもの作品も一緒に収録されている。子どもたちの作品には家族を思う気持ちがあふれており、親が子を支え、また子が親を支えていることを実感する。<中学・高校向き>
分類:NDC369.31 件名:津波-作文集.東日本大震災-作文集

『「東北」共同体からの再生:東日本大震災と日本の未来』
川勝平太〔ほか〕・著 藤原書店 1,800円
ISBN978-4-89434-814-1
静岡県知事・川勝平太、元オランダ大使・東郷和彦、前岩手県知事・増田寛也の3氏による、日本の未来についての鼎談録。震災に対する政府対応への批判、復興のあり方、再び訪れる可能性のある災害などについて、それぞれの立場・経験から提言を行っている。<高校・教師向き>
分類:NDC369.31 件名:災害復興.東日本大震災

『ドキュメント東日本大震災 救助の最前線で』
Jレスキュー編集部・編 イカロス出版 1,429円
ISBN978-4-86320-515-4
消防・レスキューの専門誌「Jレスキュー」の記事をまとめたもの。取材と関係者インタビューから、震災当時とその後における各地の消防局、地元消防団、ハイパーレスキュー隊、災害派遣医療チーム、災害救助犬などの動きが具体的にわかる。救助側からの視点で書かれた数少ないルポ。<高校>
分類:NDC369.31 件名:災害救助犬.東日本大震災.レスキュー隊

『ともしび:被災者から見た被災地の記録』
シュープレス・編・著 小学館 1,200円
ISBN978-4-09-388203-3
宮城県仙台市の編集プロダクションが、地方紙の記事や独自取材をもとに、被災地で生きる人々のエピソードと写真をまとめた1冊。震災の惨状の中で身も心もぼろぼろになりながらも未来を見ようとする、ひと筋の灯り「ともしび」のような"生"の力が読み手の心を打つ。<中学・高校向き>
分類:NDC369.31 件名:災害復興.地震災害.体験記.東日本大震災

『ヒトのチカラ。:東日本大震災被災地、災害ボランティアセンターで起こったいくつものドラマ。ボランティアって何するの?』
小田原きよし・著 マーブルトロン 三交社(発売) 1,300円
ISBN978-4-87919-641-5
震災直後から宮城県入りし、現地災害ボランティアセンターのボランティアとして民家の片付けなどの活動を行った著者の体験記。現地の状況や作業の様子、ボランティアが心がけることなど、時系列に沿って詳しく記録されており、災害ボランティアに興味を持つ高校生の参考になる。<高校向き>
分類:NDC369.31 件名:手記.災害.東日本大震災.ボランティア

『南三陸町から:2011.3.11~2011.9.11』
佐藤信一・著 ADK南三陸町復興支援プロジェクト 日本文芸社(発売) 1,500円
ISBN978-4-537-27875-0
宮城県南三陸町で写真館を営んでいた著者が、震災後から撮り続けている南三陸町の写真集。被災から復興へと向かう動きが写真によくあらわれている。売り上げの一部が南三陸町への義捐金となる。<小高・中学・高校向き>
分類:NDC369.31 件名:災害復興-宮城県南三陸町.東日本大震災-写真集

『6枚の壁新聞:石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録』
石巻日日新聞社・編 角川マガジンズ(角川SSC親書) 933円
ISBN978-4-04-731553-2
震災で印刷設備が浸水被害を受けた石巻日日新聞社が、「休刊にはしたくない、紙とペンさえあれば」と手書きの壁新聞を発行した。3月12日からの6枚の新聞の内容とその舞台裏を記し、担当記者6名の奮闘を時系列で紹介。全国紙では報道されない地域の様子を伝える使命に徹したジャーナリストたちの必死の思いが伝わってくる。<中学・高校向き>
分類:NDC369.31 件名:壁新聞.東日本大震災

『学校保健の動向 平成23年度版』
日本学校保健会編集部 2,800円
ISBN978-4-903076-04-1
平成23年度版の特集は「東日本大震災における学校保健」。災害時における学校環境衛生、心のケアについて専門家の論文、被災地での取り組みなどがまとめられている。<教師向き>
分類:374.9 件名:学校保健.健康管理.健康教育.東日本大震災

『基本を知る放射能と放射線』
藤高和信・著 誠文堂新光社 1,300円
ISBN978-4-416-21124-3
放射能・放射線についての科学的な基本知識から、被ばくや生物への影響など現在注目されていることまで、わかりやすく解説されており中学生にもおすすめできる。著者は放射線医学総合研究所や宇宙放射線防護プロジェクトリーダーを務め、現在JAXA宇宙放射線被曝管理分科会委員。<中・高校向き>
分類:NDC429.4 件名:被曝.被爆.放射線.放射能

『東日本大震災津波詳細地図』上巻:青森・岩手・宮城 下巻:福島・茨城・千葉
原口強、岩松暉・著 古今書院 上巻4,500円 下巻3,800円
上巻ISBN978-4-7722-7112-7  下巻ISBN978-4-7722-7113-4
東日本大震災による津波被害を、現地調査により詳細に記載した地図。津波の遡上・浸水の高さ、浸水の範囲等を地図上に表示してある。復興計画、ハザードマップの基本資料になる。<高校・中学向き>
分類:NDC452.5038 件名:津波―三陸海岸―地図.東日本大震災―地図

『新・地震を探る』
島村英紀・著 さ・ら書房 1,600円
ISBN978-4-378-03914-5
将来必ず起きるはずの地震の際、被害を最小限に抑えるために、そのメカニズムを正しく理解し備えを行うことが重要である。本書では地震について専門的な内容がわかりやすく説明してある。日本科学読み物賞を受賞した『地震をさぐる』(1982・国土社)の内容を全面的に新しく書き直した一冊。著者は地球物理学者。<小高・中学向き>
分類:453 件名:活断層.地震.地震観測.地震予知.プレート【地学】

『地震の日本史:大地は何を語るのか』増補版
寒川旭・著 中央公論新社(中公新書) 820円
ISBN978-4-12-191922-9
縄文時代から現在まで日本に起こった地震を、地震考古学や「日本書紀」「続日本後紀」以降の古文書の記録から痕跡を探し検証していく。タイトルどおり地震から日本史をえがく。<高校向き>
分類:NDC453.21 件名:地震-歴史

『放射能から家族を守る:安全・安心の知識』
那須正夫〔ほか〕・著 朝日新聞出版 1,000円
ISBN978-4-02-330963-0
放射能から身を守るためには、正しい知識と、何が危険かを知ることのできる能力が必要である。自然放射能の中で生活している私たちの姿を具体的に示しながら、どのような点に注意したらよいか、内部被爆の防ぎ方や放射能による食品汚染・数値・測定の基礎知識などについてわかりやすく解説している。著者は環境薬学や放射線影響科学の研究者ら。<高校向き>
分類:NDC493.195 件名:食品汚染.放射線

『南相馬10日間の救命医療:津波・原発と戦った医師の記録』
太田圭祐・著 時事通信出版局 1,400円
ISBN978-4-7887-1169-3
地震、津波、それに次ぐ原発事故の中で救急医療に携わった医師の手記。救急医療はもちろん、医師不足の地域医療の問題も考えさせられる。<高校向き>
分類:498.0212 件名:医療.救急医療.災害救助.東日本大震災

『「放射能汚染水」「水不足」「水道停止」安全な水はどう確保する?』
橋本淳司・著 主婦の友社(主婦の友新書027) 800円
ISBN978-4-07-279077-9
著者は「水と人間」が研究テーマのジャーナリスト。「蛇口をひねればいつでも安全な水が出てくる」という日本の水の安全神話は、震災によって覆された。誰もが、いざという時に自分の安全を守る方法を知っておく必要がある。この本では、個人や地域でできる水の確保・浄化の方法や、震災で浮き彫りとなった水政策の問題点などを解説している。<中学・高校向き>
分類:NDC518.12 件名:飲料水

『未曾有と想定外:東日本大震災に学ぶ』
畑村洋太郎・著 講談社(講談社現代新書2117) 720円
ISBN978-4-06-288117-3
「失敗学」の専門家として日本航空安全アドバイザリーグループ委員やJR西日本安全有識者会議委員を務め、現在は原発事故調査・検証委員会委員長を務める著者が、今回の震災・原発事故についての考察をまとめた一冊。失敗に学び、危険を科学的に検証し対処するにはどうすればよいのか、同じ失敗を繰り返さないための考え方が学べる。<高校向き>
分類:NDC519.9 件名:原子力事故.東日本大震災.福島原子力発電所

『東日本大震災の教訓 都市・建築編:覆る建築の常識』
日経アーキテクチュア編 日経BP社 3,000円
ISBN978-4-8822-6688-2
東日本大震災により都市や建築物にもたらされた被害をとりあげ、データに基づき検証、震災に耐える都市づくりを探る。また、過去の震災復興の事例を振り返り、地域再生のありかたが提示されている。写真、図、データが多く使われている。<高(職)向き>
分類:NDC524.91 件名:建築.都市問題.東日本大震災
 
『原子力問題の歴史』
吉羽和夫・著 河出書房新社 3,800円
ISBN978-4-309-24581-2
1969年に刊行された研究書の復刊。原子力問題に真摯に取り組んだ科学史家による名著。核兵器に関する記述の方が多いが、60年代までの核開発の歴史を総体的に学べる。巻末に原子力問題年表<高校向き>
分類:NDC539.02 件名:原子力―歴史

『放射線のひみつ:正しく理解し、この時代を生き延びるための30の解説』
中川恵一・著 朝日出版社 900円
ISBN978-4-255-00589-8
放射線を正しく理解するために、用語や単位の説明から、基礎知識、ニュースの読み取り方までわかりやすく解説してある。正しい理解で自分がおかれている状況を冷静に判断でき、情報に振り回されずに済む。著者は東京大学医学部附属病院放射線科准教授。<中学・高校向き>
分類:NDC539.6 件名:放射線.放射線医学

『これでわかる からだのなかの放射能:正しく知ろう!放射能汚染と健康被害』
安斎育郎・著 合同出版 1,400円
ISBN978-4-7726-1035-3
福島第一原発事故による、放射能に関する諸問題は深刻である。私たちが生活をしていくうえで、放射能汚染と健康被害の関係を正しく理解していきたい。ここでは、放射能の基礎知識、体の中の自然放射能、核実験や原発事故による体内への被曝について解説してある。著者は立命館大学名誉教授で放射線防護学の研究者。<中学・高校向き>
分類:NDC539.68 件名:原子力災害.放射能.放射能汚染

『100,000年後の安全:A FILM FOR THE FUTURE INTO ETERNITY』
マイケル・マドセン・著 西尾漠、澤井正子・解説 かんき出版 1,600円
ISBN978-4-7612-6787-2
フィンランドの高レベル放射性廃棄物最終処分施設「オンカロ」を取り上げたドキュメンタリー映画『100,000年後の安全』より、映像とせりふを抜粋しまとめた書籍。日本の高レベル放射性廃棄物処理の現状についても図を多用して解説してある。<中学・高校向き>
分類:NDC539.69 件名:放射性廃棄物

『図解いま考えるニッポンの電力問題』
斉藤永幸・著 自由国民社 1,500円
ISBN978-4-426-11261-5
日本の電力事情の現状から次世代エネルギーについてまで、図・グラフなどを駆使して説明した1冊。基本を知るのによい。<中・高校向き>
分類:NDC540.921 件名:エネルギー資源.エネルギー政策.原子力事故.原子力発電.太陽光発電.電力

『意見陳述:2011年5月23日参議院行政監視委員会会議録』
小出裕章、後藤政志、石橋克彦、孫正義・著 亜紀書房 1,500円
ISBN978-4-7505-1125-2
福島第一原発の事故前から原子力の危険性を警告していた著者らが、参議院行政監視委員会に参考人として出席し意見陳述を行った際の記録。当日説明に使用した図なども掲載されている。こうした会議録が出版されることは少なく貴重であり、内容も参考になる部分が多い。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力事故.福島原子力発電所

『官邸から見た原発事故の真実:これから始まる真の危機』
田坂広志・著 光文社(光文社新書) 780円
ISBN978-4-334-03661-4
著者は原子力の専門家として震災直後から内閣官房参与を務めた人物。内閣官房にいたからこそ述べられる内容で、国民に開示されるべき情報が記されている。多少政治がらみになるが、タイムリーな本。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:福島原子力発電所

『Q&Aで一気にわかる脱原発の教科書:原発を止めても大丈夫なこれだけの理由』
原子力安全・廃絶研究会・編 洋泉社 1,400円
ISBN978-4-86248-802-2
原子力発電に代わるエネルギー政策を模索するために、各分野の研究者へのインタビューと原子力発電や自然エネルギーのQ&Aをまとめてある。脱原発の立場から編まれているが、専門家のデータをもとにした発言には説得力がある。資料の一つとしてあってもよい。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力事故.自然エネルギー.福島原子力発電所

『「熊取」からの提言:怒れる六人の原子力研究者たち』
小林圭二・編 世界書院 2,000円
ISBN978-4-7927-2120-6
反原発の立場の原子力研究者らによる提言がまとめられている。一般向きだが高校生にも読ませたい。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力事故.福島原子力発電所

『原発推進者の無念:避難所生活で考え直したこと』
北村俊郎・著 平凡社(平凡社新書 609) 780円
ISBN978-4-582-85609-5
原子力推進側の関係者で福島県富岡町に住んでいた著者が、原発事故による避難所生活を詳しく記録し、また原子力業界の問題点を自身の反省を込めて提言している。原発推進側からのこういった主張は類書が少ない。また、避難所生活の記録は具体的で、行政やマスコミへの苦言に説得力がある。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力産業.原子力事故.原子力政策.福島原子力発電所

『原発訴訟』
海渡雄一・著 岩波書店(岩波新書) 820円
ISBN978-4-00-431337-3
原発の建設や運転を中止することを求める原発訴訟に30年間関わってきた弁護士の著者が、これまでの原発訴訟の経緯、そこからわかる原子力業界や司法・行政の問題点を解説する。<高校向き>
分類:543.5 件名:原子力政策.原子力事故.原子力発電.原子力発電所作業員.被曝

『原発を終わらせる』
石橋克彦・編 岩波書店(岩波新書 新赤版1315) 800円
ISBN978-4-00-431315-1
原子力発電所の危険性に警鐘を鳴らしてきた14名がそれぞれの専門から検証・提言を行った論文集。福島第一原発で何が起きたのか、原子力発電や日本の原発行政の何が問題であるのかを、技術的側面と社会的側面から論じ原発を終わらせるための道筋を語っている。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:福島原子力発電所

『子どもたちに伝えたい原発が許されない理由』
小出裕章・著 東邦出版 1,200円
ISBN978-4-8094-0980-6
"10歳から読める"として、原子力発電や原発行政、原発事故について図などを入れて子ども向けに解説。著者は反原発派の代表的研究者。反原発の立場が鮮明なので扱いが難しい面もあるが、小中学生向きの解説書は少ないので一つの資料として紹介する。<小高・中学向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力.原子力発電

『14歳からの原発問題』
雨宮処凜・著 河出書房新社(14歳の世渡り術) 1,200円
ISBN978-4-309-61670-4
著者が専門家へのインタビューなどを通して一から学んだ原発問題を、中高生向けにわかりやすく解説。作家、社会問題活動家としての著者のカラーが強くりクセがあるが、うまくまとめられている。著者は反原発の立場が鮮明なので一つの資料として。インタビュー相手は、元原発労働者、社会学者、「はんげんぱつ新聞」編集長、20キロ圏内の動物を救護する獣医など。<中学・高校向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力.原子力発電.原発問題

『世界で広がる脱原発:フクシマは世界にどう影響を与えたのか』
別冊宝島編集部・編 宝島社(宝島社新書 333) 700円
ISBN978-4-7966-8778-2
福島第一原発事故以降、世界の各国のメディアが同事故をどう報道したのか、また各国の原子力行政についてどんな動きが起こったのかをまとめた一冊。海外の反応についての情報は類書が少ないので参考となる。イタリア、ドイツ、アメリカ、台湾等、各国の事情や国民性がうかがえ、日本人にとってのヒントになることも多い。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力産業.原子力政策.福島原子力発電所.報道

『なぜメルケルは「転向」したのか:ドイツ原子力四〇年戦争の真実』
熊谷徹・著 日経BP社 日経BPマーケティング(発売) 1,600円
ISBN978-4-8222-4890-1
「2022年12月31日までに原発全廃」というドイツの決定について、その背景となる40年にわたる原発反対運動や議論をドイツ在住のジャーナリストが解説。日本とドイツの考え方の違いを知ることができる。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力政策-ドイツ

『日本の原子力施設全データ:「しくみ」と「リスク」を再確認する 完全改訂版』
北村行孝、三島勇・著 講談社(ブルーバックス B-1759) 1,060円
ISBN978-4-06-257759-5
原子力発電の基本を知ることができ、現在の日本の原子力施設のデータと、過去に起こったトラブルがどのような事故であったかを検証している資料性の高い一冊。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力事故.原子力発電.原子力発電-日本

『裸のフクシマ:原発30キロ圏内で暮らす』
たくきよしみつ・著 講談社 1,600円
ISBN978-4-06-217319-3
福島県川内村(緊急避難準備区域)に住む作家の著者が、震災直後から現在までの体験や県内の報道、知り合った人の発言などをまとめた手記。原発事故当時、現地にいた人の手記は少ないので貴重。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力事故.福島原子力発電所.放射能汚染

『漂流する国ニッポン:3・11大震災・福島原発事故で見えた"誰も責任をとらない国"の実相』
入江吉正・著 フォレスト出版 1,700円
ISBN978-4-89451-469-0
"原発をめぐる「欲とカネ」"という視点で、原発の労働者や原発マネー、被災地の生活復興や被災者を食い物にする震災ビジネスなどに言及。やや変わった視点だが、経済的な視点で被災と復興を論じている本は多くないので有用。<高校向き>
分類:543.5 件名:原子力事故.福島原子力発電所

『福島第一原発:真相と展望』
アーニー・ガンダーセン・著 岡崎玲子・訳 集英社(集英社新書 0628B) 700円
ISBN978-4-08-720628-9
著者は原子炉の設計や廃炉に携わってきたアメリカの原子力技術者。類書多数だが、外国の研究者という立場だから書ける内容も多い。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:福島原子力発電所

『福島第一原発事故・検証と提言:ヒューマンエラーの視点から』
村田厚生・著 新曜社 1,400円
ISBN978-4-7885-1260-3
福島第一原発事故の検証を、人為的災害の視点で行う。科学の極限でコントロールは可能だったのか、今回の事故とそれ以前の原発事故例を検証し、今後への提言を行う。著者は岡山大学大学院教授で人間工学の研究者。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力事故.福島原子力発電所

『福島の子どもたちからの手紙:ほうしゃのうっていつなくなるの?』
KIDS VOICE・編 朝日新聞出版 1,300円
ISBN978-4-02-331034-6
福島市を中心に、被災した子どもたちの震災・原発事故についての素直な気持ちが手紙の中に表現されている。小学校で原発を考えさせる学習に使用できる。<小中・小高向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力事故.手紙.東日本大震災.福島原子力発電所

『FUKUSHiMAレポート:原発事故の本質』
FUKUSHIMAプロジェクト委員会・著 日経BPコンサルティング 日経BPマーケティング(発売) 900円
ISBN978-4-86443-000-5
工学や法律など各分野の専門家が集まり、福島第一原子力発電所事故を第三者の立場から検証する「FUKUSHIMAプロジェクト」による報告書。資料として貴重なデータもあり、ドキュメンタリーとして読むこともできる利用価値のある資料。出版経費を寄付金により賄い、売り上げは委員会の活動費用に充てられる。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力政策-日本.風評被害.福島原子力発電所

『放射能汚染と人体』
野口邦和・監修 新美景子・文 大月書店(ストップ原発2) 2,800円
ISBN978-4-272-40842-9
原発事故から放射能、今後のエネルギー問題まで体系的に学べる「ストップ原発」シリーズの第2巻。放射能や原発事故による汚染の基礎知識をわかりやすくカラー図解で解説し、予防法なども詳しい。難解な専門知識もあるが、小学生・中学生なりに今後の社会のあり方を考える際のヒントになるシリーズである。<小高・中学向き>
分類:543.5 件名:原子力災害.原子力事故.被曝.放射能汚染

『僕のお父さんは東電の社員です:小中学生たちの白熱議論!3・11と働くことの意味』
毎日小学生新聞・編 森達也・著 現代書館 1,400円
ISBN978-4-7684-5671-2
『毎日小学生新聞』に寄せられた、原発事故の責任は東電にあるとする世論に疑問を投げかける小学六年生の手紙。それに対する賛成・反論様々な反響をまとめてある。立場を変えて相手を理解すること、冷静に本質を求めての話し合いが必要だと子どもたちに教えられる。森達也の解説・コメントもわかりやすく本質を突いており、小学生から高校生まで考えるきっかけになる一冊。<小高・中学・高校向き>
分類:543.5 件名:原子力事故.原子力発電.東京電力

『ホットスポット:ネットワークでつくる放射能汚染地図』
NHK ETV特集取材班・著 講談社 1,600円
ISBN978-4-06-217390-2
多くの賞を受賞したテレビ番組の製作過程をまとめたドキュメンタリー。震災後の混乱の中で、ヒューマンネットを駆使して情報を集め伝えようとする取材者の労苦を知ることができる。<高校向き>
分類:543.5 件名:ネットワーク【社会生活】.放射能汚染―地図.ホットスポット

『まやかしの安全の国:原子力村からの告発』
田辺文也・著 角川マガジンズ 角川グループパブリッシング(発売)(角川SSC新署 197) 780円
ISBN978-4-04-731560-0
原発を推進する立場で原子力事故を分析してきた著者が、福島で起きた事故を分析し、政府・東電等を批判。地震と大津波は想定外でも、その後のトラブルは想定内のはずが適切に対処できなかったと指摘している。<高校向き>
分類:NDC543.5 件名:原子力事故.福島原子力発電所

『見捨てられた命を救え!:3・11アニマルレスキューの記録』
星広志・著 社会批評社 1,500円
ISBN978-4-916117-96-0
原発の警戒区域内に残された動物を救う活動の記録。餓死した動物たちのショッキングな写真が多いので、学校では指導上の注意が必要。ペットなどの避難計画を考える材料となる<高校向き>
分類:NDC645 件名:動物保護.福島原子力発電所

『鉄は魔法つかい:命と地球をはぐくむ「鉄」物語』
畠山重篤・著 スギヤマカナヨ・絵 小学館 1,300円
ISBN978-4-09-227152-4
著者は宮城県三陸海岸でカキ養殖にあたる漁師さん。海を豊かにするために山で木を植える活動を進めてきた著者が、海と山をつなぐ「鉄」の存在をわかりやすく解説。つながり、循環する自然のしくみを学べるとともに、今回の震災で大打撃を受けた漁業関係者にとって道しるべとなるであろう、漁師のロマンがある。<小高・中学向き>
分類:NDC663.9 件名:カキ【貝】.三陸海岸.養殖漁業-宮城県

『あの日のわたし:東日本大震災99人の声』
あの日のわたし編集委員会・編 創栄出版 星雲社(発売) 1,429円
ISBN978-4-434-16009-7
震災遭遇記の公募に寄せられた手記の中から99名の作品を集めた記録集。東北地方を中心に自身が体験した震災の様子や、遠方から知人の安否を心配した経験、都心の帰宅困難者などもある。生の声を伝える貴重な記録。売り上げは震災遺児の支援にあてられる。<高校向き>
分類:NDC916 件名:記録集.東日本大震災

『前を向いて、歩こう:「石巻のイギリス人」からのメッセージ』
リチャード・ハルバーシュタット・著 サンマーク出版 1,300円
ISBN978-4-7631-3182-9
震災後、帰国をやめて石巻に残ったイギリス人著者が、震災の体験と石巻に残ると決めるまでの心境、「第二の故郷」石巻や友人たちへの思いをつづった手記。<高校向き>
分類:NDC916 件名:手記.東日本大震災

『宮城県気仙沼発!ファイト新聞』
ファイト新聞社・著 河出書房新社 1,238円
ISBN978-4-309-02052-5
避難所で暮らす子どもたちが作った壁新聞「ファイト新聞」、そのたった一つの約束事は、「暗い話は書かない」こと。うれしいニュース、四コマ漫画にインタビュー、有名人のサインも。食べ物に感動したニュースが多いのも、なぜかほっとする。最初は鉛筆書きだけの紙面が、支援物資が増えるにしたがい、色も絵も豊富に、写真まで貼られるように変化していく。大人たちを勇気づけた子どもたちのファイトに敬服。<小高・中学・高校向き>
分類:NDC916 件名:壁新聞-宮城県気仙沼市.東日本大震災-宮城県気仙沼市

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