計画的に授業でつかっていますか?

今日、すごく疲れた。3年生の「図書の時間」に、先生が「読み聞かせをして、あとは適当に過ごさせて、時間が来たら教室に返してください。」って、子どもだけを置いていったんだよ。
子どもたちは読み聞かせは集中して聞いてくれたけど、その後は、はしゃいで走り回る子もいて、注意してもなかなかきいてくれない。それで、つい大きな声で注意しなくちゃいけなくなってしまって......

そういうこと、あるある。うちは昨日、6年生の先生が「調べ学習させたいからお願いします」って、いきなりやってきたのよ!

6年生が授業で活用してくれるなんて羨ましい。うちの学校は、高学年は授業で来ないよ。いいじゃないの。担任の先生も一緒だったんでしょ。

担任の先生は、別な用事があって、学校図書館にはいなかったわ。すぐに対応できる隣の教室にいたけどね。
そのクラスは、ずっと今までパソコンを使って調べ学習をしていて、学校図書館で本を使う学習なんてしたことなかったのよ。それで、急に35人もの調べ学習に突然対応するって、とても無理。

先生が学校図書館にいても、子どもを見ないでプリントの点検していることもあるしね。
授業中の子どもは、放っておいていいわけじゃないよね。

とくに"図書の時間"に、その時間のめあてや指導がなく、子どもたちを学校図書館に連れてくることがよく見られます。こういう状態が日常化しているなら、学校全体の学校図書館への認識を変えていく必要があります。
"図書の時間"とは「授業で学校図書館を活用する時間」です。国語科だけでなく様々な教科で学校図書館を活用する時間であって、目的もなく学校図書館で過ごす時間ではありません。読書の時間に設定してあるとしても、授業ですからきちんと指導が必要です。
ちなみに、総授業数全体に国語科が占める時間を見てみると、小学校低学年が約35%、高学年が約17%。中学1・2年生は約14%、中学3年生が約10%と、だんだん少なくなります。"図書の時間"を国語科の中に限定してしまうと、学年が上がるにつれ学校図書館を活用しにくくなってしまいますね。

国語科だけではなく各教科で使っていくことが大切なのね。だからこそ、学校図書館活用年間指導計画が必要なんだわ。
計画があれば、6年生は今、総合的な学習でどんなテーマで学んでいるかとか、次の月に5年生が社会科でどんな学習をするのかなどわかって、事前に資料の準備ができるわよね。

学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善に、学校図書館を計画的に利用するように示されています。子どもたちの力を付けていくために,学校図書館を各教科で活用していかなければなりません。学校全体の先生方の認識も変えていく必要があります。
どんな形でも、学校図書館に先生方が子どもたちを連れてくるということは、見方を変えれば、学校司書のみなさんの存在を認め、頼りにしているからこそです。本のこと・読書活動・授業支援・資料の提供など、いかに質的に高い支援につなげていくか、皆さんの腕の見せどころです。

突然、学校図書館で授業があってもいいように、まずは、学年に応じた図書館クイズとか、ブックトークとか、ちゃんと用意しておくことにするよ。
でも、じっくり1時間自由に読書することもふくめて、目的に応じた多様な読書指導の計画が必要だね。授業の1時間って貴重だもの、きちんとサポートできるようにしたいよ。

そうね。いわゆる「図書の時間」も年間を通じての活用計画を、司書教諭や学年の先生と相談することが大事ね。「図書の時間」だけでなく昨日の6年生にもテーマに合わせて、本の紹介+Webサイトの紹介をしてみるわ。
「学校司書はこんなことできます」「学校図書館をこんなふうに活用してみてください。」等と、具体的に先生方に提案していけるようにやってみるわ!!



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