学校図書館図書廃棄規準

1993年1月15日 制定
全国学校図書館協議会

 学校図書館の設置目的は、教育課程の展開に寄与するとともに、児童生徒の健全な教養を育成することにある。この目的を達成するためには、児童生徒および教員の利用に役立つ適切な図書館資料を質量ともに整備しておかなければならない。学校図書館の資料は図書資料をはじめ多種多様な資料群にわたるが、とりわけ図書資料は資料群の中核を成すものである。したがって、学校図書館では、利用者の立場に立って適切で優れた図書の選択収集に努め、かつ常に蔵書の更新を行う必要がある。また、蔵書の管理には一貫性と統一性が保たれなければならない。蔵書の点検評価に伴い図書を廃棄する場合には、個人的な見解によることなく客観性のある成文化した規準にもとづき行わなければならない。
 この規準は、学校図書館において蔵書を点検評価し廃棄を行う場合の拠りどころを定めたものである。
Ⅰ 一般規準
次の各項のいずれかに該当する図書は廃棄の対象とする。
  1. 形態的にはまだ使用に耐えうるが、記述されている内容・資料・表記等が古くなり利用価値の失われた図書。
  2. 新しい学説や理論が採用されていない図書で、史的資料としても利用価値の失われた図書。
  3. 刊行後時間の経過とともにカラー図版資料の変色が著しいため、誤った情報を提供することが明白になった図書。
  4. 利用頻度の著しく低い複本で保存分を除いた図書。
Ⅱ 種別規準
次の種別に属する図書は、一般規準に加えてそれぞれの種別ごとの各項に該当する場合、廃棄の対象とする。
  1. 百科事典・専門事典 
  2.  1)刊行後10年を経ているもので、補遺が刊行されていない図書。
  3. ハンドブック・要覧
  4.  1)新版が刊行され利用価値の失われた旧版図書。
  5. 伝記
  6.  1)新資料の発見等により被伝者について評価が著しく変わった図書。
  7. 地図帳
  8.  1)刊行後5年を経ているもので、記載地名等に変化が生じた図書。
     2)歴史地図帳は、刊行後10年を経ているもので、歴史学研究の成果がとりいれられていない図書。
  9. 旅行案内書
  10.  1)刊行後3年を経ているもので、現状にそぐわなくなった図書。
  11. 地誌
  12.  1)刊行後5年を経ているもので、現状にそぐわなくなった図書。
  13. 法律書・法令書
  14.  1)刊行後3年を経ているもので、主要な法律・法令の改正により現状にそぐわなくなった図書。
  15. 人権関係書
  16.  1)記述内容に人権擁護上問題であることが明らかとなった図書。
  17. 政党関係書
  18.  1)刊行後3年を経ているもので、政党の現状を理解するのにそぐわなくなった図書。
  19. 時事問題関係書
  20.  1)刊行後3年を経ているもので、現状にそぐわなくなった図書。
  21. 学習参考書
  22.  1)刊行後3年を経ているもので、学習の現状にそぐわなくなった図書。
     2)「学習指導要領」準拠図書で、「学習指導要領」の改訂により学習事項やその取り扱いが変わった図書。
  23. 就職・受験内容書
  24.  1)刊行後2年を経ているもので、現状にそぐわなくなった図書。
  25. 技術書・実験書
  26.  1)刊行後3年を経ているもので、技術・実験についての説明が古くなった図書。
     2)記述内容に安全上問題であることが明らかとなった図書。
  27. 公害・環境問題関係書
  28.  1)刊行後5年を経ているもので、最近の研究成果がとりいれられていない図書。
  29. 料理・服飾関係書
  30.  1)刊行後3年を経ているもので、新しい素材・技術・デザイン・流行等がとりいれられていない図書。
  31. スポーツ関係書
  32.  1)刊行後5年を経ているもので、新しい種目・ルール・技術・用具等がとりいれられていない図書。
  33. 辞典
  34.  1)語義・語源・用例等の記述に重大な誤りが発見された図書。
  35. 翻訳書・翻案書・抄訳書
  36.  1)刊行後に優れた翻訳書が出版された場合の旧翻訳書。
     2)より完全な翻訳書が出版された場合の旧翻案書・旧抄訳書。
Ⅲ 廃棄の対象としない図書
次の図書は原則として廃棄の対象としない。
 1)年鑑 2)白書 3)郷土資料 4)貴重書

 ≪運用上の留意事項≫
Ⅰ 図書の廃棄にあたっては、校内に「図書廃棄委員会」を設置し組織的に対処する。各教科担当教員の協力を求めるなどして、廃棄図書リストを作成して検討するなど慎重に行うことが望ましい。
Ⅱ 備品図書の廃棄は、学校設置者が定める条例・規則等にしたがって行う。
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