全国学校図書館協議会絵本選定基準

全国学校図書館協議会 1972年制定

基本原則

絵本とは、書籍の形態をもって、絵または絵と文の融合から生まれる芸術であると考える。

  1. 原則として、絵の比重が形式的にも、内容的にもその本の半分以上を占めていること。
  2. 画集、単純な写真集、図鑑、低俗なマンガ本・劇画等は対象としない。
  3. 絵本は主として、乳幼児・児童を対象としたものであるが、青少年、成人向きのものも考慮する。
  4. 絵雑誌は対象としない。

制作態度について

  1. こどもに対する正しい愛情があるか。
  2. こどもに興味関心のある題材が選ばれているか。
  3. こどもの創造力・思考力を伸ばすものであるか。
  4. 既成の概念にとらわれず、創意工夫がなされているか。
  5. 絵と説明文がほどよく調和しているか。
  6. こどもの生活のリズムにあったものであるか。
  7. 著者の意図する年齢にふさわしいものであるか。

絵について

  1. 内容を的確に表現しているか。
  2. 芸術的なかおり高いものであるか。
  3. こどもの感覚にあっており、理解しやすいものであるか。
  4. こどもを楽しくすることができるか。

文について

  1. わかりやすく、内容を正確に伝えているか。
  2. 文学的かおりの高い文章であるか。
  3. 内容の展開に不自然さはないか。
  4. 文の長さ、リズム、間などについて、十分な配慮がなされているか。
  5. こどもに理解できることばで書かれているか。
  6. 洗練された用語が用いられているか。
  7. 文字、かなづかい、わかち書き等に適切な配慮がはらわれているか。
  8. 読んだ結果がつぎの段階へ発展するよう配慮されているか。
  9. 科学的題材を扱ったものにおいては、内容が体系的に扱われているか。

造本その他について

  1. 装てい、用紙などが作品を十分に生かしているか。
  2. レイアウトは適切であるか。
  3. 判型は内容にふさわしいものであるか。
  4. 製本は堅牢であるか。
  5. 開き具合は自然であるか。
  6. 用紙は丈夫であるか。
  7. 印刷は鮮明であるか。
  8. 文字の大きさ、書体は適当か。
  9. 価格は適切であるか。